賃料の支払いの猶予等
新型コロナウイルス感染症の影響により、飲食店をはじめとする事業者の中には賃料の支払いが困難な事案が増えています。
こうした中、国土交通省は不動産関連団体を通じて、新型コロナウイルス感染症の影響により、賃料の支払いが困難な事情がある借主(テナント)に対しては、賃料の支払いの猶予に応じるなど、柔軟な措置の実施を検討することを要請しています(令和2年3月31日)。
もちろん、新型コロナウイルス感染症によるテナントの営業不振のツケを貸主(オーナー)に払わせる道理はありませんし、賃料収入が減少することでオーナーが経営危機に陥る虞もあります。
とはいえ、賃料が支払えずテナントが破綻したり、退去されたりする可能性を考えると、賃料の支払い猶予や減額、免除等によりテナントを支援したほうが、結果的にオーナーのリスクを低減することができるかもしれません。
テナントから賃料支払猶予の要請があった場合、さまざまな対応が考えられます。
- 一定期間賃料の支払いを免除する(フリーレント)
- 一定期間賃料の支払いを(全額/一部)猶予し、期間経過後に(一括で/分割で)支払ってもらう
- 一定期間賃料を減額し、期間経過後は元の金額に戻す
- 敷金・保証金の一部と賃料を相殺する
- 敷金・保証金の一部を返還する
どのような対応をすべきかは、テナントの経営状況やリーシングリスク等を考慮しつつ、テナントと個別に協議をして決めていくことになります。
いずれの対応をするにせよ、口約束ではなく、合意内容を書面に残しておくことが重要です。
厳しい状況が暫く続いていくと思われますが、オーナーとテナントが互いに協調して、この未曾有の非常時を乗り越えていきたいですね。