「取引主任者」から「取引士」へ
先の国会で宅地建物取引業法の改正法が成立いたしました。
今回の改正法の内容は下記のとおりです。
1)「宅地建物取引主任者」が「宅地建物取引士」と名称が変わることとなった。
名称は変わりますが、取引士が行うべき業務は従前と同じです。
(重要事項の説明、重要事項説明書への記名押印、37条書面への記名押印)
なお、改正法施行前に宅地建物取引主任者資格試験に合格した者については、宅地建物取引士資格試験に合格した者とみなされます。
2)宅地建物取引士への名称変更に伴い、業務処理の原則その他について新たな規定が定められた。
(宅地建物取引士の業務処理の原則)
第15条 宅地建物取引士は、宅地建物取引業の業務に従事するときは、宅地又は建物の取引の専門家として、購入者等の利益の保護及び円滑な宅地又は建物の流通に資するよう、公正かつ誠実にこの法律に定める事務を行うとともに、宅地建物取引業に関連する業務に従事する者との連携に努めなければならない。
(信用失墜行為の禁止)
第15条の2 宅地建物取引士は、宅地建物取引士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない。
(知識及び能力の維持向上)
第15条の3 宅地建物取引士は、宅地又は建物の取引に係る事務に必要な知識及び能力の維持向上に努めなければならない。
3)宅地建物取引業者の従業者への教育について努力義務が課せられることになった。
(従業者の教育)
第31条の2 宅地建物取引業者は、その従業者に対し、その業務を適正に実施させるため、必要な教育を行うよう努めなければならない。
4)暴力団員等であることが宅地建物取引業免許と宅地建物取引士登録の欠格事由に追加された。
改正法は公布から1年以内に施行されることになっておりますので、遅くとも来年6月までには施行される予定です。