コンプライアンス・プログラムと社内研修

金融商品取引業者には、コンプライアンス態勢を整備・確立することが求められています。

 
コンプライアンス・プログラムを策定することもその一環となります。
 
 
コンプライアンス・プログラムとは、法令等遵守に関する具体的な実践計画のことです。
 
事業年度毎に策定するのが一般的で、コンプライアンス部門が原案を作成し、コンプライアンス委員会の承認を経たうえで取締役会で決定します。
 
 
コンプライアンス・プログラムに定める内容は、各社の状況等によって異なりますが、例としては次のようなものを挙げることができます。
  • コンプライアンス委員会等の運営計画
  • 規程、マニュアル等の改訂計画
  • 内部監査計画
  • 研修計画
 
中でも重要なのが「研修」です。
 
法令等遵守は、コンプライアンス部門だけの問題ではなく、全ての役職員にとって重要なものです。
 
特に、実際に顧客等との前面に立つ営業部門は、勧誘、説明、書面交付等、金融商品取引業者の行為規制に関わる場面が多いため、法令等遵守について周知徹底が求められます。
 
そのためには、やはり社内研修を実施することが必要だと思います。
 
 
研修のテーマとしては、
  • 一般的なコンプライアンス知識
  • 業務上必要となる専門的知識(金融商品取引法、宅地建物取引法など)
  • 会社独自の規定、ルール(就業規則、その他の規程)
等が考えられますが、部署や階層に応じたテーマを選択することが大切です。
 
 
コンプライアンス・プログラムを策定した場合、それをきちんと実行に移していかなければなりません。
 
研修についても、計画に盛り込んでいるのであれば、きちんと実施する必要があります。
 
(多忙というのは言い訳になりません。)
 
 
 
 
 
 
(参考)
 
金融商品取引業者向けの総合的監督指針 (III−2−1(1))
  • コンプライアンスが経営の最重要課題の一つとして位置付けられ、その実践に係る基本的な方針、更に具体的な実践計画(コンプライアンス・プログラム)や行動規範(倫理規程、コンプライアンス・マニュアル)等が策定されているか。また、これらの方針等は役職員に対してその存在及び内容について周知徹底が図られ、十分に理解されるとともに日常の業務運営において実践されているか。
  • 実践計画や行動規範は、定期的又は必要に応じ随時に、評価及びフォローアップが行われているか。また、内容の見直しが行われているか。
 
 
「金融商品取引業者等検査マニュアル」 (II−1−1 2.(2))
  • 法令等遵守に関する実践計画(以下「コンプライアンス・プログラム」という。)を作成し、取締役会等の決定又は承認を受けて役職員への周知を図っているか。
  • コンプライアンス・プログラムの作成に当たり、営業部門等の規模や性格等を考慮しているか。また、その実施状況及び効果を業績評価、人事考課等に公平に反映しているか。
  • コンプライアンス・プログラムの進捗状況や達成状況をフォローアップする担当者等の権限及び責任を明確にし、代表取締役又は取締役がその進捗状況や達成状況を正確に把握し、評価できる体制を整備し、実施しているか。
  • コンプライアンス・プログラムは、定期的に内部監査等による評価を受け、適時、合理的に見直しを行っているか。
 
 
 
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