宅建業者による勧誘の規制強化
2011年10月1日に、宅地建物取引業法施行規則(国土交通省令)の一部が改正されました。
今般の改正では、マンション販売等に関わる悪質な勧誘を禁止することが主眼となっています。
具体的な禁止行為は以下のとおりです。
当該勧誘に先立って宅地建物取引業者の商号又は名称及び当該勧誘を行う者の氏名並びに当該契約の締結について勧誘を目的である旨を告げずに、勧誘を行うこと(第16条の12第1号ハ)。
→勧誘にあたっては、会社名、担当者名を名乗ったうえで、不動産の購入・売却等の勧誘である旨を告げなければいけません。
宅地建物取引業者の相手方等が当該契約を締結しない旨の意思(当該勧誘を引き続き受けることを希望しない旨の意思を含む。)を表示したにもかかわらず、当該勧誘を継続すること(第16条の12第1号ニ)。
→「買うつもりがない」、「話を聞きたくない(勧誘を受けたくない)」等の意思表示をしている相手に対し、その後もしつこく勧誘をしてはいけません。
迷惑を覚えさせるような時間に電話し、又は訪問すること(第16条の12第1号ホ)。
→「迷惑を覚えさせるような時間」について具体的な定義はなく、迷惑と感じるかどうかは人によって様々です。常識で判断するほかありませんが、電話や訪問すること自体が禁止行為に該当するので注意が必要です。
深夜又は長時間の勧誘その他の私生活又は業務の平穏を害するような方法によりその者を困惑させること(第16条の12第1号ヘ)。
→「深夜」「長時間」というのは例示であって、私生活又は業務の平穏を害するような方法で相手を困惑させる行為、たとえばしつこく何度も電話してくるとか、威圧的な態度で契約の締結を迫るといったことも禁止行為に当たると考えられます。
勧誘行為というのは、現場の営業社員によって行われるものです。
そのうちの一人の不適切な勧誘によって、会社全体が行政指導、行政処分の対象となってしまうおそれがあります。
すべての勧誘行為が適切に行われるようにするためには、営業社員に対する教育・指導を徹底することが求められます。