現存しない建物の登記
不動産取引に関する重要事項説明書を作成にあたっては、まずは法務局で登記事項証明書を取得します。
登記事項証明書を取得するためには、土地については「地番」、建物については「家屋番号」を特定する必要があります。
しかし、物件調査の際にあたっては、対象物件の家屋番号を記載して証明書を取得するのではなく、「対象地番上の建物すべて」として申請するようにしてください。
というのも、既に取り壊し済で現存しない建物の登記が残っている(滅失登記が未了となっている)ケースがよくあるからです。
(特に現地に建物が1棟しかないのに、家屋番号が「○番○の2」となっているような場合は要注意です。)
現存しない建物の登記が残っていると、融資が受けられない等のトラブルが起きることがありますので、そのような登記がないかを調査しなければなりません。
もし、現存しない建物の登記が残っている場合には、決済時までに売主の責任と費用負担で滅失登記を完了していただく旨を売買契約に盛り込みます。
滅失登記を申請するためには、建物登記名義人の委任状と取毀証明書(解体工事業者が発行する)が必要となります。
しかし、建物解体から長い年月が経過し、その間に土地が転々と売買されている等の場合には、これらの書類を用意することが困難なことがあります。
そのような場合、利害関係人である土地所有者が「上申書」(申出人の印鑑証明書付)を作成・添付することによって滅失登記の申出をすることも可能です。