公正証書
公正証書とは、公務員である公証人が作成する書面です。
法律で公正証書で作成すべきものとされているものが幾つかありますが、「事業用定期借地権」もそのうちの一つです。
また、新築マンションを分譲する際には、分譲業者が以下の事項について規約を定めることができますが、この規約についても公正証書でなければなりません。
- 規約共用部分に関する定め
- 規約敷地の定め
- 専有部分と敷地利用権の分離処分を可能にする定め
- 敷地利用権の共有、準共有持分の割合に関する定め
契約書等を公正証書で作成すると、次のようなメリットがあります。
- 公文書であるため、裁判になったときには高い証明力がある。
- 原本が公証役場で保管されるため、紛失や滅失の危険性が少ない。
- 「強制執行認諾条項」を定めておくことで、裁判所の判決を得なくても、ただちに強制執行手続を行うことができる。
特に重要なのが3の強制執行認諾条項です。
ただし、公正証書によって強制執行ができるのは「金銭債務」に限られます。
そのため、賃貸借契約を公正証書で作成した場合であっても、賃料債権や損害賠償請求権等についての強制執行はできますが、契約解除に伴う建物明渡請求権に関しての強制執行はできません。