金融商品取引業者の帳簿作成・保存義務

金融商品取引法では、業者に対して帳簿書類の作成・保存を義務付けています。

信託受益権売買の媒介に関連するところでは、以下の書類を保存する必要があります。

  • 特定投資家から一般投資家への移行申出に関する交付書面(写し)
  • 特定投資家へ移行申出をした個人が移行要件に該当することを確認した書面(写し)
  • 特定投資家への移行申出をした法人の同意書面(*)
  • 契約締結前交付書面(写し)
  • 契約締結時交付書面(写し)
  • 契約変更書面(写し)
  • 媒介に係る取引記録

これらの保存期間は、取引記録が作成の日から10年間、その他は5年間です。(*は効力を失った日から5年間)

金融商品取引法上の「取引記録」には、次の事項を記載することとされています。

  • 媒介を行った年月日
  • 顧客の氏名または名称
  • 媒介または代理の別
  • 媒介の内容
  • 媒介に関して受け取る手数料、報酬その他の対価の額

ところで、犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯罪収益移転防止法)においても「取引記録」の作成・保存が義務づけられています。

(保存期間は取引の日から7年間です。)

  • 本人確認記録を検索するための事項
  • 取引の期日及び内容
  • 取引の種類
  • 取引に係る財産の価額
  • 財産の移転元、移転先の内容

金融商品取引法と犯罪収益移転防止法とでは記載項目が異なりますが、両方を網羅していれば1つの記録にまとめても構いません。

(ただし、保存期間が異なることに注意してください。)

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