不動産投資におけるデューデリジェンス
デューデリジェンス(Due Diligence)とは、もともと「当然払うべき注意、努力」という意味ですが、M&Aや不動産証券化等の世界で行われる詳細な調査・分析のことを指します。
不動産投資・不動産証券化の場面で行われるデューデリジェンスは、通常次の3つの側面から実施されます。
(1)法的(権利関係)調査
- 売主が対象物件を処分する権利・権限を有しているか。
- 信託契約、借地契約等の内容。
- テナントとの賃貸借契約の内容。
- 対象物件に関して訴訟等が提起されていないか。
- (当該取引に際しての)売買契約その他関連契約の内容。 等
(2)物理的状況調査
- 土壌汚染の有無。
- アスベスト等の有害物質の使用状況。
- 地震リスク(PML)、建物の耐震性能。
- 建築法規に関する遵法性。
- 境界確定状況。
- 短期/長期修繕費用の見積。 等
(3)経済的調査
- 市場動向、地域要因・立地特性。
- テナントの属性、使用目的、信用情報、支払状況。
- 稼働率の推移、適正賃料、テナント誘致の競争力の有無。
- 過去の費用水準、費用見直しの可能性。
- 将来の売却にあたっての競争力。 等
これらの調査は買主だけで行うことは不可能で、弁護士、公認会計士・税理士、司法書士、土地家屋調査士、不動産鑑定士、各種調査会社、ゼネコン、リーシング業者等、それぞれの専門家に発注することが通例です。
しかし、ただ単に各専門家からレポートを受領するだけではデューデリジェンスを行ったことにはなりません。
それぞれのレポートに記載された内容を咀嚼し、それを投資判断・運用戦略にどのように活かしていくかということが重要なのです。